いきなりですね。個人的にはホールドしたかった銘柄でしたが。Shireは1株当たり45.23ドルで提案しているようです(前日終値33.15ドルに対し36%のプレミアム)。
最も、BXLT経営陣は買収提案に現時点では反対しているようです。
WSJによると、Baxter International(BAX)がBXLTの24%の株を保有しているようです(私は18%だと思っていました)。
BAXとBXLTの関係については以前の記事を読んでください
さて、先行きがどうなるのか。個人的には36%のプレミアムは安いと思います。最終的には50ドル付近まで値を上げる覚悟がShire側には必要でしょう(もっと行くかも)。
そのぐらいになって、24%株主のBAXが何というか、それ次第じゃないですか? BAXの株主もいい提案だったら、返事しろ、とかプレッシャーをかけますからね。
したがって、ShireはBAXの株主にもアピールする必要があると思います。
Shireとはアイルランドに本社を置くバイオ薬メーカーで、オーファンドラッグ(稀少病向けの薬)を得意とする製薬会社です。
実は私の別の持ち株でもある、ABBVIE(ABBV)が1年ほど前、Shireに買収提案を行っていたのですが、確か2回ほどShire経営陣に拒否されて、3度目の正直で射止めようとした瞬間、アメリカ政府が、「税金の低い国に本社を移転するのはダメ」と規制を強化したので、提案を取りやめた経緯がありました。
このころは、ファイザーがアストラゼネカに買収提案を行ったりしていました。アメリカの法人税率が高い(法人税の実効税率は約39%で日本より高い)から、法人税率の低い欧州の国の会社を買収して、その後、本社を欧州に移転して、税率が低くなった分、株主に還元することで、行き詰った株主還元策をねん出する、といったことが話題になっていましたね(日本の法人税率論争もすっかり消えましたね)。
しかし、今度は買収する側が法人税率の低いアイルランド(同約12.5%だったと思う)に本社がある企業なので、米国に本社があるBXLTだと、アイルランドに本社を移転すると言えば、通るのかな?
もしそうなら、通常の株式プレミアムに「税率プレミアム」もBAX、BXLTの株主は期待してもいいと思います。
BXLTの血友病治療薬は日本の中外製薬が開発中の薬に負けるかもしれない(これ、英語の記事だとやっぱりRocheの新薬候補と訳されることがほとんどの様です。仕方ないけど)、とも言われているので、手放すなら、まあいいか、という側面もありますけど。
ShireもABBVに思わぬ買収提案を受けてしまったので、「攻撃は最大の防御」と考えたのでしょうかね。特に税率でやられたから、税率でやり返す、という感じがしないでもない。
どこまでShireが出してくるか、見ものです。抜いた刀は最後まで振り回す、というのは日本人的発想かな?
また、アメリカで法人税率論争が再燃して、日本にも飛んでくる、ということもあるのかな(一応日本は30%を切る税率に段階的に下げることが決まっているけど)。
応援お願いします。
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