2015年8月22日土曜日

25年以上連続増配をする配当貴族銘柄の紹介S&P500 Dividend Aristocrats #7 Illinois Tool Works (ITW) 40年連続増配 その1

7目はIllinois Tool WorksITW)です。Seeking Alpha(米国個人投資家向け株式投資情報サイトで参加型のもの)で、しばし個人投資家がお勧めする銘柄です。


日進工具(6157)をウオッチしている関係上、かなり規模が違いますが、グローバル・ジャイアント工具メーカーを調べてみようと思いました。

結論から言えば、ユニークな経営でしっかりした業績を残しており、ポートフォリオに加えてもいい銘柄の一つだと思います。さすが40年連続増配することだけはありますね。






工具会社として出発し、現在は①自動車関連工具(わかりにくいが、自動車関連製品の製造ラインで使われるもののようだ)、②電子分析測量機器(これも工場内の製品を実験・検査・分析するために用いられる機器・ソフトウエアの様だ)、③厨房機器(レストラン等の厨房内で使われる冷蔵庫、調理器、フードプロセッサー他)、④ポリマーと流体(接着剤、シーリング剤、潤滑油、清掃・衛星用具、メンテナンス道具等)⑤溶接器具、⑥建築器具(ねじ、足場製品、⑦スペシャリティ・プロダクト(飲料水パッケージ製品他特定顧客向け特定工具、備品等)等からなるコングロマリットです。


では、テンプレート分析から
取扱製品の属性から、製造業の業績と連動するはずですね。しかし、当社はリーマンショック後から着実にマージンを改善しています

売上高は、ドル高の影響もあるが、5年前より少なくなっていますが、営業利益は着実に増加しています。営業利益率が5%も改善しています。

2014年はIndustrial Packageビジネスを投資ファンドのカーライルに売却した関係上、約11億ドルの売却益が純利益に入っているようです。したがって、2014年度の営業利益、純利益、EPSは異常値となっています。2012年度も事業売却益があるようです。

2014年度の調整後のEPSは$4.76の様です。その場合、過去5年の平均EPS成長率は12%になります。

この5年間、ITWはポートフォリオの見直し、事業体制の見直し、大規模な自社株買い(発行済み株式総数が5年で約20%も減っている)などを低金利を利用して(つまり借り入れと事業売却代金で自社株買い)、筋肉質なPLBSに変貌しようとしています。

借入金の水準は、Net Debt /EBITDA倍率で1倍程度なので、ほとんど問題ないと思います(純有利子負債:有利子負債-現金預金で実質の借入金残高が年間のキャッシュフロー(減価償却費等非現金支出などキャッシュの流出を伴わない費用を足しこんだ営業利益)の何倍あるのか、を表す指標、つまりITWの場合、1年間のCFで借金が返済できると考えます)。
CFの水準も安定していますしね。

配当は7月から引き上げられ、向こう1年間は$2.2ドルになるようです。
製造業の低迷していたこの時期に、こういった体質改善を行ったのは、基礎事業の強さがあってのことだと思います。

各事業は顧客ニーズにフォーカスしたニッチで差別化された製品の様です。
ITW40年も連続増配を実施していた点、ここ数年間は安定して配当成長率もよかった点、その割に、PERの水準は低目な点など、製造業関連で連続増配投資銘柄をポートフォリオに加える場合、3M同様、Goodな企業だという印象をもちました。

次回は、どのような経営戦略の会社かを見ていきたいと思います。

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