2015年9月13日日曜日

配当貴族銘柄の紹介 その10 AFLAC(AFL) 32年連続増配 その2

その1では
  • AFLは任意加入の補助保険(がんなどの特定疾病や用途に絞った保険)というニッチ分野で展開する生命保険会社。
  • 32年連続増配中の配当貴族企業。
  • 売上高、利益の7割以上は日本で稼ぐ珍しいS&P500採用企業。
  • リーマンショック時の際には、バランスシートがやや痛んだ。最近の業績は堅調なのだが、円安の影響があり、ドルベースではやや停滞中。

今回
  • 日本では、かんぽ、によるがん保険の販売が成長のカギを握る。
  • アメリカでの業績が回復傾向にある。
  • 前回の失敗もありバランスシートの透明性に配慮している。
  • 日本円で東京市場で売買できる配当貴族銘柄。
  • もう少し配当利回りが高くなれば妙味ありと思います。




成長戦略
AFL(日本)の成長戦略は、①従来の商品と関連ある商品の販売(がん保険に加えて医療保険とか)、②販売チャネルの増加、③新規顧客の取り込み、というごもっともなもの。

数年前銀行での保険の窓口販売解禁になった際に、強力な販売キャンペーンを行いました(要するに銀行に払う手数料を分厚くした)。メガバンクから信用金庫まで、支店網も確か90%以上カバーしていたと思います。

金融機関側も、イメージがよく、「がん保険はアフラック」の認知度が高かったので、売り易かったと思います。

AFL側は、その知名度を生かして、学資保険や死亡保険・年金保険などをクロスセリングしていきました。

おそらく同じような手法をかんぽを使って広げると思われます。今回かんぽも上場するので、営業に力が入っているとも聞きます。。

財務等

AFL日本法人の収益構造です。向こう3年間のBenefit ratio(保険給付率)がTotal62%~64%、Expense Ratio(経費率)が17%~19%、利益率が19%~22%となっており、その1のテンプレートのOperating Income Marginとおおむね整合性がとれていると思います。

2014年度の実績の利益率は20.9%でした。

これを日本で上場している他の生保と比較してみますと(AFLは連結です)、

となっており、収益性の高さが光りますね(AFLは税引き前利益です)。

20152017年にかけて、AFL34%の売上高成長率、20%前後の利益率(税引き前)を想定しており、日本より米国の方がやや成長率が高いように見積もっています。

米国のAFLは日本とは違って、ブローカーと呼ばれる人たちを活用し、おもに中小企業への職域営業をかけるようなイメージです。企業の被雇用者への福利厚生として、団体保険や医療保険を営業しているようです。
リーマンショック後の景気回復もあり、アメリカ事業の売上高の成長率は日本法人より高い模様です(アメリカの方がシェアも低いし)。

競争環境(日本)
日本では規制緩和が進んでいることなどや、がん保険等の単品保険への新規参入が多いことより、競争が激化しているようです。この分野の成長は高いようですが、シェアは落ちています。

ただ、既に知名度が確立されているなどから、まだまだ競争力が残っているといえそうです。
がん保険の契約数は年率でざっくり3.3%ぐらいの成長ですが、当社のシェアはジワジワと減っています。

バランスシート
金融機関の投資判断にはこの分析が欠かせません。当社も生命保険会社として、余剰資金は確実かつ長期な資産で運用する必要性があります。
日本国債が44%、日本円建て債券(利払いドル、元本償還円等)、為替ヘッジがついたドル債などで90%を占めています。記憶ベースで恐縮ですが、株式への投資はほとんどなかったと思います。かつては格付けけが低い社債に投資していて、そのリスクをアナリストが指摘しまくっていて、処分に苦慮していたことがありました。

その反省もあって、現在はかなり保守的なBSだと思います。利回りは1.5%程度です。

AFLへの投資環境
アフラック株は数少ない東証に上場する外国株(8686)です。円で投資ができます。ただ出来高が少ないので、いざというときの処分に困りますが…。アフラック株の取引高でこの程度ですから、外国企業が日本証券市場から上場を撤退するのもわかるような気もしますね。

個人的には、今後も年率5%~10%の増配を継続していく企業であると感じでいます。しかし、どうしても生命保険会社に投資がしたい、という特別な理由がなければ、配当利回りが3%を超えて、配当の成長率が7%程度ある銘柄がほかにもあるので、もうちょっと成長率が高くなるか、株価が低くなるか、配当性向を増やしてくれるか、といった策があれば妙味があるような気がします。

ただ、ビジネスの太宗が日本にあるので、外国株へのとっかかり、としては業務内容がわかりやすい、という点でよい企業だと思います。

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