会社説明会があったので、聞いてきた。当社については前回も少し触れているが、ビジネスモデルというか事業領域が魅力的でかつPERが低目なのでウオッチしているところである。
ただし、現在の中期計画のフェーズでは、株主還元よりも持続的な成長を維持しながら財務体質改善(借入金の返済)を優先したいような感じなので、配当性向や増配率はあまり期待できない。
更に、対面業界(お客さん)は化学業界なので、シクリカルであり、今から買うのか、という感じもしていて、「いい会社だけど、どうしようかなあ」という目で見ている。
事業内容を簡単に述べると
当社は流体物(液体)を専門に運搬する輸送業者。輸送手段としては「タンクコンテナ」という箱を使って荷主から荷受人に運ぶ。もっとも実際に運ぶのは海運会社、陸運会社であり、当社の役割はタンクコンテナを保有して、流体物を荷主の指図するところまで配送の手配をする、という感じか。
タンクコンテナとは、こんな感じのもの。
(当社HPより)
外柱の枠組みは、貨物コンテナと同じ大きさだそうだ。そのコンテナ規格の中にタンクを設置して、流体物を運搬する。したがって、比較的小口の流体物をコンテナ船に積載することが可能となるので、荷主や荷受人には非常に利便性が高いサービスとなる(例:自分の工場から相手の工場まで積み替えなどなしで運べるとか)。
当社はこの運搬サービスをグローバルに展開しているので、いわゆる「片道輸送」になることはほとんどないという(例:横浜-シンガポールで運んでも、タンクを洗浄した後に、シンガポール-ドバイの便を確保できたりするそうだ)。
したがって、荷主には片道分のコストの請求ができるので、コスト競争力があるそうだ。
固形物は貨物コンテナで運搬するのが業界常識になっているが、小口の流体物をタンクコンテナで運ぶのは、まだ成長期らしく(タンカーとかで運んだりする)、取扱い量が年々増加しているそうだ。
また、独立系企業でタンクコンテナ運営に特化している企業は日本で唯一で、専門性が高い模様(ジャパンエナジーの関連会社などがあるが、投資したいとは思わない財務内容)。
ネットワークは一応グローバルに現地法人または代理店を配しているので、荷主の要望には大体対応できるらしい。
こんな感じ。
そして、なぜ「ややネガティブ」と言っているのか、と言えば、業績見通しだ。
会社側は、今期業績についてはむしろ半年前より強めの着地を見込んでいるそうだが、それ以降は不透明感があるそうだ。
「チャイナショック」にも関連するが、「足元は堅調だが、中国経済は確実にスローしている」とか、
「天津爆破事件で、当社や当社の荷主に直接の被害はなかったが、危険物取り扱いの規制は確実に強化されるので、その対応や新規制になれるまでは荷動きが緩慢になるのではないか」といった趣旨の発言があったからだ。
こういった点に投資家は敏感ですから。
しかし、それでもなお、現在の株価はPER10倍程度で取引されている点、10月1日には1対3に株式分割が予定されている点(ざっくり一株3000円が1000円になる感じで個人投資家は買いやすい)などは下値支えが期待されるところではあるが、すでにホールドしているならいざ知らず、新規だと、外国株でも中国リスクを抱えたままホールドしているのでエントリーに困ってしまいますね。
結局、「いい会社だけど、どうしようかなあ」という感想のままですね(笑)。
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