2015年9月6日日曜日

25年以上連続増配をする配当貴族銘柄の紹介S&P500 Dividend Aristocrats #9 WW Grainger (GWW) 44年連続増配 その2

前回まで(その1)
  • WW Grainger (GWW)は日本の急成長企業、MonotaRO3064)の親会社で、工場・建築の間接資材の卸売業者。
  • 44年連続増配中の配当貴族企業。
  • 現在、売上高の約4割を占めるオンラインビジネスを中心に売上高、利益、DPSとも2ケタ成長中。

今回
  • オンライビジネスが成長ドライバーになる見込み






北米でこういった間接資材の市場は140億ドルぐらいの規模があり、上位50社でも3割のシェアしかない非常に分散化された市場の様です。

調べていると、卸売業というより、小売業に近いイメージなのですが、一応Distributorとなっています。

当社の特徴は、デリバリーと北米に巨大な376の直営ショップ(平均約2000平方メートル:40メートル×50メートル)でも販売している点でしょうか。2位のFastenalとう企業のショップはその半分以下だそうです。

販売している商品から見て、日本の大型ホームセンターのイメージに近いような感じかな(日用品やDIY・園芸・食品等を取り除いた感じ)?

ただ、取引相手がどちらかと言えば大企業ということなので、やはり卸売業というべきでしょうか。

当社の77%の売上高は従業員100名以上の事業所とのことです。

これらの市場は、25万拠点、約4兆円市場で7割以上が全米に複数の事業所があります。

GWWも全米に拠点があるので、こういった顧客に全米各地で同質のサービスが提供できます。したがって大手企業の様々なニーズにこたえることが可能になるようです。

日本でも、最近は各事業所で調達していた各種備品・資材の類も本部一括購入が主流になっていますが、これをやるためには、各拠点に確実にデリバリー出来るパートナーが必要ですね。

Keep Stockというサービスがあり、これは相手顧客先に定期的に訪問して、その時に不足した資材を補充していくような感じで、これが結構ウケているそうです。
置き薬の訪問販売か、サザエさんの三河屋さんのような御用聞きなのか?

ただ、時代はオンライン化しています。このオンライン化に成功しつつあるのがGWWの最近の業績に表れているようです。
当社のオンラインモデルの出発点は、なんとMonotaROだったそうです。同社は2000年に住友商事との合弁でスタートしたようで、2009年に住友商事は全株売却したようです。

米国では2011年から始めたようですが、日本で13年かかって達成した売上高がUS$3億ドルで、米国では4年で5億ドルですから、大したものですね。

ドイツでは2014年にスタートさせて、最初の売上高は日本をしのぐと書いてありますが、ネット販売に対する抵抗感が2002年と今では違いますけど、それでも期待させますね。

英国ではCROMEEL社を買収して始めるようです。

大企業の便利屋サービス(もっともこのためには2500社の仕入れ先と欠品なく、過剰在庫なしの在庫管理が前提)、オンライン販売の先進国での急成長などを武器に(珍しく当社は新興国への進出は優先事項ではありません。米日独英が戦略マーケットの様です)以下のような中期的な成長イメージを投資家に提示しています。
売上高が7%~12%の伸び率とのことなので(為替中立ベース)、配当はそれ+1から2%の成長、つまりざっくり10%を期待したいところですね。

そして、連続増配企業の誇りのこのグラフを見れば、いつもながら、圧倒されます。
リーマンショックなんてあったのか、って感じですね。

感想
  • アメリカで製造業が存在感をなくしている、と言いますが、当社はそんな製造業(あるいはリーマンショックで大打撃を受けた建設業)向けのサービスに特化しているようですが、それでも業績は着実に成長しています。
  • 排他的・保守的・複雑特殊な流通経路、と言われている日本での成功は、すごいと思います。この成功体験があれば、世界中の大抵の国で成功できるような気がします
  • 配当貴族分析をやっていると、あれもこれも買いたくなるのですが、当社もそんな中の一つで、相対的にはまあまあ低いバリュエーションで、ポジティブな印象でした。
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