連続増配記録を45年としている、Sysco(シスコ)社は、アメリカの食品流通の最大手です。日本でシスコと言えば、Cisco Systems社の方が有名だと思います。カタカナ表記すれば同じ企業なので、ややこしいですが。
アメリカのサイトを見ていると、しばし話題になっている銘柄です。
食品卸でも、連続増配ができるのですね。これはびっくり。
いつものテンプレート分析です。
この企業は事業の大半が北米(米国・カナダ)なので、為替の影響はあまり受けないようです。
この5年間の増配率が落ちています。3.7%なので、名目GDPにプラスアルファ程度ではないでしょうか。
株価は、一応、収益が安定しているはずの卸売業なので、まあまあの水準かもしれません。日本の卸売業の平均よりは、全然PERも高いですね。
売上高は、年平均すれば、過去10年間でも4.5%の増収率なので、4から5%の増収で安定していそうです。
営業利益が伸び悩んでいる、マージンが下落しています。これは食品仕入れ単価の上昇、包装用の資材の値上がり、配送コストの値上がりなどが要因と言われています。それでも5年で約半分になるとは、アメリカ企業ではあまり考えられない水準です。
利益が落ちていくので、Net Debt / EBITDAの水準が多少上がっていますが、Net Debtの水準は一定しているので、借入金マネジメントはしっかりしていそうです。つまり、財務的にはまだまだ大丈夫な感じです。
Net Debt;純有利子負債=借入金(有利子負債)-現預金残高 で表します。実質的な借入金残高
EBITDA;ざっくりと言えば、営業利益+非現金支出費用(キャッシュで支払わないけど、会計上費用と認識されるもの。減価償却費が代表例)で表します。要するに年間で企業が稼ぐキャッシュの水準を意味します。
したがって、Net Debt / EBITDAは、実質的な借入金を何年で返済できる能力があるのか、を表すことになります。この数値は小さいほど財務安全性が高いと評価されます。2から3年がよく見る水準です。
EPSも落ちていますね。ただし、FCFは増加しています。営業CFが増えていますね。
配当性向も80%に達しています。
表に記載していませんが、年間の配当支払い総額は約700百万ドル(8400億円)に達しており、FCFが10億ドル(1200億円)とすれば、Dividend / FCF=59%ということになり、もう少しだけ余裕がありそうですね。
営業CFが落ちない要因ははっきりしませんが、別途バランスシートを見た限りでは未払い費用が増えていたので、実質的に増加しているとも言い難そうですね。
現在、「物言う株主」Nelson Peltzが7%ほど株を取得して、コストカット政策を強力に進めるようにプレッシャーをかけているようです。
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