このブログの読者の方ならすでにご存じのとおりかと。
要点
- 先進国(特に米国)の独禁当局が認めるのか
- ビール産業は先進国では成熟化。成長性はあまり見込めない。
- 一方、仮に誕生すれば、新興国では非常に強い先進国に上場するビール会社の誕生
- アルトリアの株主としては、SABミラーの株は売り時だ(もちろん価格はもっと頑張ってもらいたい)と思うが、当局の承認を取り付けるためにミラーの売却もあり得るので、状況を見守るしかない。
ビール業界世界1位のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(BUD)と同2位のSABミラーが合併すると、単純合算で株式時価総額が約30兆円になるそうです!!
ちなみにトヨタ自動車の時価総額は約25兆円です。
私はSABミラーの筆頭株主で約28%の大株主であるアルトリア・グループの株を少し保有しています。ずっと前からSABミラーの動向は見ていました。
同社が2012年に豪州のフォスター社を買収した時には、次の買収標的にされないために大きくなる必要がある、と言ったことが言われていたことを記憶していて、当時SABミラーが買収標的になるなんて、考えていませんでしたが、昨年ごろからチラホラ話が出てきて、ついに来たのか、という感じ。
しかし、あっちこっちの国の独禁法が通るのかな? 特に米国ではバドワイザー&バドライトのシェアが1位でミラー・クアーズのシェアが2位のはずなので、ドイツテレコム買収でAT&TでもSprintでもダメと言った当局が折れるとも思えない(そのミラーを売却するという手はある)。
もちろん、ブランドは残るのでしょうが、価格競争の阻害とか懸念が残りますね。
更に、ビール業界はみなさんご存知の通り、クラフトビール旋風?というべき地ビール?ブームで大量生産商品に人気がなくなっている。
今はまだ小さいシェイク・シャックがマクドナルドより人気があったり、チポトレ・メキシカングリルがタコ・ベルより好まれたり、ミレニアム世代が「こだわり商品」に味覚が移行していることが影響している可能性があります。
(食べてみると、シャックもチポトレも「ちょっとおいしい」ファーストフードですよ、しょせん)
また、アメリカではビールよりワインやスピリッツが好まれる傾向(コカ・コーラも含めて炭酸飲料がイマイチ伸びない)が強く、買収してコストカットを進める、という算段か? それともアメリカ事業は誰かに売るのか?
ただし、この2社、もし合併すれば中国(旧インベブ)、インド(SABミラー)、ブラジル(旧インベブ)、南アフリカ(SABミラー;SABはSouth African Breweriesの略)と新興国でめっぽう強いビール会社になります。
西欧中心のハイネケンよりSABミラーの方が将来性はあるとは思います。
仮に合併したら、どんな社名になるのでしょうね(笑)
SABミラー・アンハイザー・ブッシュ・インベブ??? 長すぎるよ
SABミラーの欠点は、圧倒的に強いブランドや市場を持っていなかったことでしょうか?
Diageo(ギネス)にも買収や分割の噂があるので(同社もバランスよく良いブランドを持っているけど、何か圧倒するパワーがないので投資家は物足りなさを感じているらしい)、まだまだ目が離せませんね。
買収が実現するか否かは、まだまだ紆余曲折があると思います。アルトリアの株主としては、株の売却益をどう始末つけるのか(あるいはまた株式交換で今度は合併会社の株式を保有するのか)、それが気がかりです。
意外とベストシナリオは、結局当局がダメといって、買収が実現せずに、SABミラーが違約金をたんまりもらって、それを自社株買いでもしてもらって、アルトリアの株主にもおすそ分けがくる(EPSがアップして、増配率もアップする)、といった感じだったりして。
なお、日本ではアサヒビールが、この買収に伴い、ノンコアあるいは当局から売却を命じられた資産を買収できる一番手かなと(キリンやサントリーは海外買収でおなか一杯)。
なお、日本ではアサヒビールが、この買収に伴い、ノンコアあるいは当局から売却を命じられた資産を買収できる一番手かなと(キリンやサントリーは海外買収でおなか一杯)。
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