2015年9月28日月曜日

自己株式の消却について

日本企業で、自社株買いを行ったのち、その株を金庫株として保有したままの状況が多いことは読者の方はご存じだと思う。
なぜ消却しないんだろう(中には売り出す会社もあるけど)、という感じで見ていたが、ワケありの場合もあるようです。






株価上昇に乗じて、金庫株を第三者割当で誰かに売却したり(会社は売却益を得る)するケースも多い。これは既存株主にとってみれば、どちらかと言えばあまり好ましくないかもしれない。

もちろん利益成長できていれば、一株あたり利益・EPSは上がるので、納得できなくもないが、自社株買いができる体力があるのだから、借入金でもして資金調達をしてほしかった、ということだろう。

もう一つは、大口株主の配当金課税にも理由があるようです。

現行の税法では、3%以上の発行済み株式総数を保有する株主は大口株主として扱われ(ついこの前まで5%だったのですが、3%になってしまった)、受取配当金は総合課税されるそうです。

一つの会社に3%前後の株式を保有する人って、おおむね創業者あるいはその親族などが多いと思われます。

その企業の取締役だったりすると、役員報酬と配当を合わせると最高税率(所得+地方で50%)に達する可能性が高くなります。
申告分離課税だと、20.315%で済みます。

この大口株主の定義なのですが、分子は3%ですが、分母は発行済み株式総数で自社株買いを含む、となっています。しかし、消却してしまうと分母そのものが小さくなってしまうので、例えば2.7%ぐらいの株主である創業家の人で配当以外にもしっかり所得がある人は、税率が高くなる可能性がある、ということです。

個人的には、確かに税率は高くなるんだけど、それ以上に会社と株主が儲けることを考えてくれれば、税金以上に手残りが出るので、消却してくれればなあ、と思います。ROEも上がるし。


消却に消極的な企業があれば、こんなところも調べてみてはいかがでしょう?

応援お願いします。


にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ






0 件のコメント:

コメントを投稿