読売ブリッジサロンシリーズ第2弾です。今回はコネクシオ(9422)。
携帯用のゲームアプリ開発のenish(3667)はIPO間もないベンチャーで、まだ赤字なので、配当志向の私の好みではないため、記事にはしません。
会社概要・事業概要
コネクシオ(9422)はいわゆるキャリアショップの運営・経営を行っているドコモ・KDDI・ソフトバンクの代理店である。親会社は伊藤忠商事。
携帯販売代理店(キャリアショップ)は、ドコモは総合商社の資本力と展開力および携帯端末メーカーに依頼して普及させた。
それに対して、KDDI(auおよびツーカー)は、地元の有力資本家を通じて販売普及を行ったケースが多い。
ソフトバンクはボーダフォンから受け継いだこともあり、光通信系などに依頼しているケースが多いが、孫さん自身、キャリアショップに売らせる気があまりないらしく、Yahoo!と共に「インターネット代理店」のような位置づけで独自で売っていきたいらしい。
3キャリアはこういった思惑の違いがあったが、好不況の波や業界への先行き見通しの違いなどから、メーカー系代理店は相次いで撤退(例:NECモバイリングやパナソニックモバイル)、商社系も資本回収(例:ティーガイアにおける三井物産、三菱商事の事実上の撤退)などがあり、資本力が有利な企業が居続ける状況となっている。
そういった中、コネクシオは伊藤忠商事のバックを受け、旧日立モバイル、旧パナソニックモバイルなどを吸収合併しながら成長しており、IT系に注力する伊藤忠商事の最終消費者への接点として、当面注力するようだ。
プライドの高かったメーカー系が商社系に下ったのだから、業界再編の進み方もわかる(というより、メーカーがガラパゴス携帯からスマホで負け組になったので、ショップも見切らざるを得なかった)。
そんな背景の中、コネクシオはドコモショップの代理店として全国1位の店舗数を保有し、全423店舗のうち374店舗がドコモショップである。
業界1位のティーガイア(3738 三井物産・三菱商事・住友商事の代理店が合併し、その後三井・三菱も一部をティーガイアに持ち株を自社株買いさせることで撤退)の場合は、1200店舗ほど運営しているが、ドコモは265店舗ほどでしかない。
業績・株価
当社は12年8月にパナソニックテレコムと合併し、約1年後の13年10月に現コネクシオと改名している。合併は現金と株式交換じゃなかったか? したがって株数が増えている。
しかし、EPS(一株当たり当期利益)は15.3期36.4%アップと伸びており、ひとまず合併は正解だったようだ(その後の伸びが緩慢なのがちょっとアレだが)。
配当の方も順調に伸びており、配当性向も40%程度なので、頑張っている方か?
株価の方は、仮に13年10月の合併後に買った場合、5割ほど伸びたことになる。
株価バリュエーションは
PER 10.5倍
PBR 2.1倍
配当利回り 3.65%
時価総額 689億円
EV/EBITDA 6.75倍
割安圏内にあると思います。ちなみにティーガイア(3738)は
PER 14.2倍
PBR 4.1倍
配当利回り 2.20%
時価総額 1472億円
EV/EBITDA 9.8倍
です。後者の方が株主還元に熱心(大々的に自社株買いをやった)、営業戦略も一歩先を行っています。
販売代理店は、原則的にキャリアの言いなりで端末を売らなければなりませんが、たとえばスマホケースなどのアクセサリ類は代理店の販売にある程度裁量があります。こういった付属品を売って粗利益を稼ぐ、というのが今のショップのビジネスモデルとなりつつありますが、いち早く取り組んだのがティーガイアだったと思います。
コネクシオは日立モバイルとの合併に苦心し(メーカーの人材を商社の人に融和させる)、さらにパナソニックの人をも抱えたので、出遅れ感があります。
(モノづくりの人って、銀行や商社の様にモノを介在しない商売をややリスぺクトしない風潮にある。しかし伊藤忠側としては一緒にやっていってもらわないと困る、そういう苦労)
株価が割安なのは、上記以外にドコモ依存度が非常に高い点もあります。なんてったってドコモさんはこれまで一人負けだったので。
ドコモの業績がイマイチ → 代理店手数料が削られる → コネクシオの業績見通しも保守的になる → 株価が伸び悩む というサイクルです。
しかし実際はそこそこ頑張っているような気がします。期待値以上か?
割安感があるような気がしますが、安倍さんの「携帯料金見直し令」が重くのしかかりますねえ。
これで割安圏内のままで配当だけ増配が期待できると、おいしそうな株じゃないでしょうか?(厚かましいかもしれませんね)
安倍さんの「見直し令」は、格安スマホやスマホではなくガラケーにするとかデータ量シェアとか今でも選択肢がある点と、アベノミクスで確か、東京オリンピックを迎えるにあたって、「世界最先端IT国家へ」というお題目と相反するような気がするんですけどねえ(キャリアが投資しづらい環境になってしまう)。
応援お願いします。
0 件のコメント:
コメントを投稿