Leggett & Platt社は44年も連続増配している配当貴族銘柄企業ですが、知りませんでした。調べているうちに、投資家からみて、かなり戦略的な会社である、という印象を持ちました。
当社は創業以来130年の業歴がある製造業で、ベッドのスプリングを組み立てることから始まって、マットレスやソファや自動車シートの骨格部分、金属製のオフィス家具(椅子とか)、フェンスなどワイヤー加工製品などをコアな製品とする家具関連製造企業です。会社側は各製品群では(米国での)市場シェア1位、2位ばかりである、と言っています。
(こちらのビデオを見ていただくとわかりやすい)
北米で7割、それに欧州と中国を加えた売上高は9割に上ります。日本はほとんど縁がなさそうです。したがって、我々もいまいちどのような企業かわかりづらかったりするかもしれません。
では、いつものようにテンプレート分析です。
モノづくり企業ということもあって、営業利益率は6~9%台とやや寂しいものがあります。
株価は、PERでまあまあの水準、EV/EBITDA倍率だとちょっと高めです。
MorningStarさんがモニターしていないので、Economic Moat欄は記載していません。
当社は一応、家具製造業(を中心とした多角化経営)ですので、リーマンショックで住宅着工件数が激減してしまった影響を受けています。それを差し引いて考えると、業績の底入れ、反転期待が株価に表れているのかな、という気もします。
Net Incomeの下に、Net Income From Continuing Operationを当社の意見通り設けています。
要するに不採算事業を売却した後の継続事業ベースでの純利益を算出しています。不採算事業を大きく減損した後に売却したようです。
したがって、継続事業ベースの純利益は過去5年で5.2%のペースで増加している、ということを表します。
EPSについても継続事業ベースでみた場合、2014年は1.76、2015年の予想は2.05と前年比+17%となるようです。
この辺は米国企業の分析で非常にややこしいですね。都合の悪い費用?をSpecial Itemsとか言って切り離しているという説もたくさん聞かれますから。
発行済み株式総数は継続的に減らしています。自社株買いの効果です。
借入金の比率も特段問題ないと思います。
製造業なのですが、どちらかといえば加工・組み立て系なので、それほど設備投資が必要ではないようです。したがって、FCFは確保できていると思います。
会計上の純利益から配当性向を算出するとギリギリの配当のように感じますが(配当性向90%)、CFを中心に見ると、それでも余裕は小さいものの、配当カット、という最悪のケースはま逃れそうです。
緑の折れ線が営業CF、青の棒グラフが設備投資、緑の棒グラフが配当です。
さて、これからの業績見通しですが、住宅着工やオフィスビルの着工などが当社業績のバロメータになる模様で、その意味では成長余力が残っていそうな気がします。
最悪でも減配は心配なさそうです。
ジム・クレイマーが主催するThe Street.Comという投資サイトがありますが、そちらのRaringでは“Buy”が付与されています(ただし、かなり機械的なRatingだと思う)。
ちなみにこのサイトで、ステファニー・リンクという女性が出ていますが、彼女は結構頭のシャープな人で分析や銘柄選択眼がいいと思います(彼女が2011年ごろ、「いまこそNIKEを買うのよ」と言っていて、その通り買っていれば、株価は2から3倍になっていたと思う。後悔しています)。最近はCNBCでよく見かけます。
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