2015年10月28日水曜日

Google と Johnson & Johnsonによるロボティクス ベンチャーキャピタリストの話を聞いて

FenoxというVCで社長をやっているアニス・ウッザマンというベンチャーキャピタリストの話を聞く機会があった。
インド系の人だと思う。東京工大卒だといって、日本語が完璧だった。シリコンバレーを拠点にしながら、世界中のベンチャーに投資をしていて、有望な会社をNASDAQに引き上げるのを得意としている感じだった。

当日は、日本人に世界最先端のベンチャー技術を披露する、という感じで自分が投資している投資先の技術を紹介していた。
中には、日本の大企業でもすでに採用しているような技術もあったような気がしたが、大変面白かった。


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個人的にはもっとも目を引いたのが、ITと医療のコラボレーションでした。


ダ・ビンチという医療ロボットがすでにありますが(インテュイティヴ・サージカル社が開発して実用化されています)、これの使い方を根底から変えるような発想があるそうです。
ウッザマン氏の兄はシカゴの外科医だそうです。ダ・ビンチを実務で使用するそうです。

日本では確か前立せんがんの除去手術が厚労省の認可になっていたと思います。たとえば前立腺がんの手術をする場合、患者は手術台(患者カート)の上に乗るのですが、外科医は上記のサージャンコンソール(3Dの内視鏡)で手を動かすだけでいいそうです。
手を動かすと患者カートの4本のロボットアームが外科医の代わりに、外科医のように手を動かしてがんを除去してくれるそうです。

コンソール内で手を動かすエネルギーは実際の手術の10分の1程度で済むそうです。また、正確性も抜群に優れているそうです。したがって外科医は一度これを使うと、従来型の手術はやりたくないようになる、と言っていました。

特に、手術が6時間以上かかる場合、最後の縫い合わせの段階では疲れ切って、縫い目がゆがんだりすることもあったがダ・ビンチではそんなことはありえない、と言っているそうです。
(注:しかし、ダ・ビンチも医療事故があって、インテュイティヴ・サージカル社は医療裁判で敗訴したようなこともあったはずです。それでも優れたロボットであると日本でも評価が高い)

その兄は、売れっ子のようで、手術のために世界各地を転々とするそうです。ドバイやシンガポールあるいはアラブの大富豪といった人を相手にしているそうです。
将来、コンソールはシカゴ、カートはドバイという手術が可能になると、生産性がぐっと上がる、というアイディアを実現できないか、と弟は考えているそうです。

Roboticsという分野で、GoogleとJohnson &Johnsonがコラボしていることは前回少し触れましたが、これを発展させる最強ロボットを目指しているといわれています。
上記で言えば、コンソール部分のITコントロールをGoogleが行い、手術台のところをJNJが担当するような感じ。

そして注目すべき点は、コンソール部分には、従来外科医がどのような動作や対応をしたら手術が失敗に終わったかというデータをBig Dateを元に詰め込んで、外科医がそのような動作をした瞬間、エラーサインを発信することで、手術ミスを撲滅しよう、というコンセプトだ、というのです(ウッザマンが言っていることで、GoogleJNJはまだコメントしていないと思う)。

医療ツーリズムで最新医療を受けるために医者の所に出向く、というのがこういった究極の「遠隔医療」でなくなる日が来るかもしれませんね。

他にも面白い話があったので、機会があればご紹介したいと思います。

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