2015年7月23日木曜日

東芝の件 前門の虎、後門の狼の状況になりつつある





わたしは本件に対し、これまでの報道経緯からかんがみて、「日本を代表する名門大企業だし、経営者がごめんなさいをして辞任するんだし、これぐらいでお開きにしようぜ」という雰囲気に国やマスコミが誘導して、一件落着に持っていくのではないか、という風潮に非常に危機感を感じていました。


したがって、盛んにブログで取り上げたのですが、ご存じのとおり第三者委員会の報告書で、かなり悪質であることがわかり、世間の雰囲気がガラッと変わったように感じております。
(それでも会計は「不適切」なままですけど)

今日のブルームバーグのこの記事

既にお読みになった方も多いと思いますが、これだけ表面化してくれば、タダでは済まされないような感じになっています。

おそらく、この原稿は以前からしたためられていて、あとは「識者」の言質を取ってリリースするタイミングをブルームバーグは見計らっていたのでしょう。

本来なら、日本を代表する経済新聞社がこういった記事を発してほしかったのですが、「事なかれ主義」経済新聞社さん(経団連ビルの隣に本社があるのがいけないと思う)は(広告収入が気になって)腰が引けているのでしょう。

新聞社は読者のために存在するべき存在で、読者から高い購読料を取っていながら、いうべきことを言わないのはほとんど詐欺に近いと思います。彼らが追っかけているのは「誰が悪いのか」の犯人捜しだけ。

このブルームバーグの記事が「前門の虎」、とすれば、以下の見識は「後門の狼」と言えるかもしれない。




大阪の山口弁護士のブログ「ビジネス法務の部屋」のこの記事

以下抜粋

なんといっても(ほぼ予想どおりですが)これから東芝さんが遭遇する(長くつらい)米国当局とのお付き合いや集団証券訴訟(クラスアクション)に十分に配慮された報告書だなぁ、といった第一印象を持ちました。

(中略)

不適切な会計処理が認められ、そこに組織的関与があった、内部統制にも重大な不備があったと認定されるわけですから、内容的にはSEC(証券取引委員会)やDOJ(米国司法省)が証券取引所法違反、FCPA(内部統制構築違反、真正帳簿作成義務違反)に基づく行政罰適用や民事制裁金執行に動く可能性が高いと思われます。また、東芝さんの場合、ノンスポンサーADR(預託証券)が米国の店頭取引(OTC市場)によって流通しているので、いわゆるクラスアクション(集団証券訴訟)が頻発する可能性があります(現に、もういくつかの米国大手法律事務所が米国国内で原告を募っているようですね)

以上抜粋終わり (赤線は筆者)

山口弁護士のこの記事の趣旨は第三者委員会の報告書の内容というより、どういった点に気を配って書いてあるかという、監査的な立場から見た感想がメインです。

東芝の株(ADR)をサードポイントが買っていて、ダニエル・ローブ辺りが訴訟・クラスアクションを起こしたりすると、話題になるでしょうね。

私としては、「こんなことをやったら、こんな目に会うんだよ」ということをしっかり白日にさらして、自然とガバナンスが効いてくるようになればいいな、と思っているだけです。


こういう時は海外メディアの存在はいいですね。

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