2015年7月2日木曜日

現状の株価水準から見た場合、投資家は言動不一致なのですか? と思った件





株価が割高か否か? くさるほど議論されるこの話題。このブログでも話題にして、ますますくさらせるつもりか?

まあ、そうでもありません。


インデックスの人は日経平均が割高か否かで論じることが多いのですが、わたしはもう少しブレークダウンしてみようと思いました(群れたくない性分なので)。

これはモーニングスター社のHP業種別ページというところから借用したTOPIXの業種別の株価指数の表を一部改訂しています(71日現在)。

TOPIX全体の予想PER17倍ですが、医薬品は何と31倍となっています。サービス業、小売業、食料品、不動産などがこれに続き、意外と日常生活に近い業種のPERが高いですね。

一方、輸送機器、鉄鋼、電気・ガス、銀行、保険など高度経済成長型のビジネスのバリュエーションは低いままですね(電気は仕方ないか)。

銀行はPER10倍、PERでは0.45倍となっています(もっともこの業種をほかの業種と同じレンズで見ていいのか?ということもある)。

日経平均が2万円台になってもPBR1倍を割れている業種もあります。鉄鋼・非鉄金属、紙パルプ、倉庫、海運、卸売他です。

不思議と配当利回りにはそれほど差が付きませんね。

じゃあ、銀行株が割安だ!! と言っていいのか?そこまではちょっとわかりません。これは相対的な業種比較で、ヒストリカルに比較していないので。

たとえば、過去10年間の銀行の予想PERTOPIXの予想PERの差を比較して、現状の約7倍が大きいのか小さいのかを見たほうがいいでしょう(どうやって見たらいいのか、今はちょっとわからん。家にブルームバーグの端末でもあればいいけど)。

万年割安株かもしれませんし。

投資家は言動不一致なのか?矛盾した結果に





ただし、医薬品やサービス・小売りは直感だけれど高いように思いますねえ。大した新薬候補もなければ、毎日のように財政改革の目玉に社会保険費用の増加額の削減などネガティブな話題が続いているので(つい最近もジェネリック薬の更なる数量シェア拡大方針が決定したようです)。

サービス・小売り・不動産・食品に関して言えば、少子化・人口減少とあれだけ合唱しているにもかかわらず、まるで数年前の中国の内需株に様に将来バラ色のようなPERですねえ(もっとも個社別に見れば、バラ色のような会社もあるでしょうね)。

ニッポンのお家芸と言われている自動車産業(輸送用機器)はサッパリですね。

皆さん、言っていることと、やっていることが違っているっていうのが面白い。もちろん、「言っている」のは日本人で、「やっている」のがガイジンである、ということなんでしょうが・・・。
But, そのガイジンの動向で売買しているのが日本人・・・。

株式投資は奥が深いですね。

案外「円安が行き過ぎで、そのうち円高になるぞ」とか「なんだかんだ言っても日本経済の将来はねずみ色だ。なぜなら人口が減っていくからだ」なんて言いまくっている投資銀行のストラテジストやエコノミストの連中なんかは、社内で正反対の指示を出していたりするのでしょうかね? 

結論がうまく言えないのですが、時々こういった分析をやってみると、意外なことがわかったりするものですね(わたしの分析・雑感が正しいわけでもないですが)。

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2 件のコメント:

  1. 興味深い投稿ですね。

    医薬品セクターは常々なんでこんなに高いのかと疑問に思っていました。個別銘柄ベースでは、外資による買収可能性が具体的に見込まれるのであれば、分からなくもないです。国際比較で弱い業界なのに。

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    1. 新薬がなく、業績が伸び悩んでいるにもかかわらず、インデックス的に買われているだけのような気がします。
      外資の大手が日本の買収する必要性は低いと思います。

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