2015年7月29日水曜日

大和証券セミナー その3 朝日印刷(3951)





藤野氏のJPXセミナーで、利益の上昇と株価の上昇がほぼマッチする、と言われていた会社(しかし、最近の保有上位銘柄には見当たらない)。

ずいぶん前から「ウオッチ銘柄」として、リスト入りしていた銘柄だったが、ウオッチしていた「だけ」の銘柄だった。
話が聞けるなら、と思って参加。


社長は創業家の入り婿さんで40代前半の若手バリバリの人らしいが、今日の説明はIR担当役員。酒が入ると、いいおっちゃん、って感じの人。

当社は医薬品の取扱説明書やその箱の印刷などを専門に行う印刷業者。医薬品のみならず、健康食品、化粧品などへの取扱領域を広げている。

本社は薬の町富山にあり、必然的に医薬品分野では産業集積されていたことから、同業の専門印刷業として成功したようだ。

以前、印刷業者で非公開だが、自動車のマニュアル印刷を行う会社の話を聞いたことがあったのだが、単に印刷すればいいってわけではなく、発注側と以心伝心の意思疎通が求められるらしい。

つまり、発注者側が、ある程度原稿ができれば、あとは印刷会社側で説明書の細部・編集をフォローするような感じだそうだ。

したがって、説明義務が厳しい医薬品(OTC、処方薬とも)の印刷ができる事業者は限られてくるようだ。当社は当然この分野のナンバーワン企業(とのこと)。


高齢化社会の日本にあり、医薬品の消費量は順調に増えており、当社の売上高も逓増しており、それに伴い利益も増加している。

株価も過去10年で2倍超といい感じ。

気に入らない点が一つだけ。大震災の後、減配をしている。この会社の体力があれば、ちょっと背伸びすれば、せめて配当据え置きぐらいにはできたはずではないのか?
15.3期にやっとDPSの水準は11.3期を抜いた。



「いいおっちゃん」に直接聞いてみた。

Q:「12.3期にそれまで45円だった一株配当が35円に減配になっていますが、これは10年ぐらい投資したいと思っている個人投資家の目からすれば、あんまりじゃありませんか?」
A:「そんなことありましたっけ?」

Q:「このページを見てくださいよ。わざわざ減配しなくてもCFはあったんじゃなかったのですか?」
A:「あっ、本当ですね。いけませんねえ。これは前社長の時ですね。現社長にはよく言っておきますよ」(と代替わりを理由にする)
「おそらく大震災の後でいろいろあったんじゃなかったかなあ?」

う~ん、これでは確信が持てない(現社長はどうせ入り婿だろ。逆らえるわけがない)。
現在、生産の効率化のために新工場を竣工したばかりらしい。そのためCFがカツカツだったのか、印刷業界はもともと設備投資がよくいる業界であることは間違いないので、仕方ないのか、「配当なんて所詮おまけ」と思っている人には気にならない程度かもしれませんし、よい会社だと思います。

多分Economic Moatはあると思います。WideNarrowかわかりませんが。
敵対的買収がない日本だと、大日本とか凸版とかから狙われないから、生き延びているのかもしれません。

HPの情報開示が乏しい(上記配当グラフは説明会資料をスキャンした)、配当政策に確信が持てないなどで、よい会社で候補先入りを継続しているが、優先順位は高くないと思う。

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