さて、実質的に第一回となる配当貴族紹介シリーズ、今回はMMMです。
このシリーズ(いつまで続くかわかりませんが)は、定量的な実績については、オリジナルテンプレートを作って、そこに数字を当てはめる作業を行い、できるだけ省力化を目指しています。
テンプレートは完全に自作ですので、チェックポイントの財務指数は独断と偏見です。
情報源は、Yahoo! Finance USA, US Dividend Champions, そしてMorningStar USA
からです。ネットで気軽にダウンロードができて、コピーアンドペーストできるなんて、さすがですね。
3Mは工業・交通事業、ヘルスケア事業、消費者・オフィス事業、安全・セキュリティ・保護サービス事業、ディスプレイとグラフィック事業、及びエレクトロと通信事業という6つの事業部門を運営する(楽天の企業概要から)。
日本では「ポストイット」を筆頭にテープなどオフィス事業があまりにも有名ですね。
個人的な見解 ブルーチップカンパニー
初回なので、「ブルーチップ」をご紹介。
是非ポートフォリオに組み入れたい工業系の株ナンバーワンです。
57年連続増配記録中です。P&G(59年)、JNJ(53年)といった業績が安定しそうな業界に属する企業ならいざ知らず、製造業でこの増配は特筆ものだと思います。
ダウ平均銘柄採用企業でもあり、アメリカでもブルーチップの代表格の一角を占めています。鉄板銘柄の一つだと言い切れます。
日本の製造業、多角化経営の企業にはぜひ見習ってほしい企業だといえるでしょう。
毎年4から5%の成長と、2〜2.5%の自社株買いを織り交ぜて、7~7.5%のEPSの成長を遂げています。
また、この低金利を利用して、借入金により自社株買いを増やし、株主還元をせっせと行っています。
借入金の水準は、純有利子負債/EBITDA水準で見ていきます。要するにキャッシュフローの何年分の実質借入金があるのか、という事で返済余力を確認していきます。決まった水準は業種によって違うと思いますが、3Mのような業界だと、2~3倍以内にあれば妥当だと思います。
3Mは半年程度なので、借入金で配当を増やしたといわれても、まったく問題ない水準だと思います。
見ていただいてわかるとおり、過去5年間、株主資本の水準は(毎期40億ドル以上の当期利益を計上しながらも)むしろ減っており、ROEは30%台に切りあがっていっています。
MorningStar社がEconomic Moatを決める際、ROEの最低水準が15%だそうです。当社は当然Economic MoatはWideと評価されています。
ROEが8%あれば及第点だと思っている人は、こういった会社をよく見てみることです。
尚、上記の表で投資CFとは、有形無形固定資産の取得額を示しています(投資有価証券とかM&Aは含んでいないと思います)。つまり、事業の競争力の維持に必要な更新投資だと思います。
したがってフリーキャッシュフロー(FCF)とは、経営陣の意向で決めることが可能な資金(借入金の返済があれば別)で、ウォーレンバフェットがCEOの最大の仕事と言っている対象金額になります(Capital Allocation)。
配当性向も40%台で、健全な範囲内と言えるでしょう。
3Mを今回分析してみて、さすが、の一言ですね。向こう10年ぐらいの増配は問題ないような気がします(鵜呑みにしないでくださいね)。持っているだけでお金持ちにしてもらえそうな企業です。
(株価水準は7月9日現在)
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